今月の教室での古典臨書は北魏時代の墓誌銘から。
513年の墳墓石室中の棺の上に置かれていた蓋石に書かれていたとのこと。
こちらは元顕儁墓誌銘(げんけんしゅんぼしめい)と言います。
墓誌銘とは故人の業績や来歴を残し後世につたえる役割をもっています。
古代エジプトやローマなどの遺跡でも見られますが、
今の時代でも祖先の墓参りに行けば目にすることもあります。
墓誌銘を残すというのは古今東西普遍的に行われてきた行為なんですね。
この元顕儁墓誌銘は1500年前のものとはいえ地中から出土したため、かなりきれいな状態で出土しています。
磨崖碑のような風雨にさらされたものよりもはっきりと文字が残っているため原本を見ながらの臨書もしやすいと思います。
出土時期は1918年と、意外にも近代になってから河南省洛陽で出土されました。
1500年前のものとはいえ地中から出土するので磨崖碑のような風雨にさらされることなく、
きれいな状態で出土したことがわかります。
洛陽は言わずと知れた北魏、隋など、古代中国の首都として栄えた土地。
かつて洛陽から電車で2時間くらいの鄭州という河南省の省都に2年ほど済んだことがありますが、
世界遺産の洛陽石窟では様々な北魏時代の碑文、造像記など貴重なものを実際にたくさん見ることもできました。
とはいえ20年も前のことになるので、あの頃はまだ若くホケッと見ていたのが少し悔やまれます^^;